3Dコンソーシアム -3D新時代“驚きから感動へ!”-
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2003年4月8日
CeBITにおける3D関連展示レポート
2003年4月8日
CeBIT:世界最大の規模と影響力を持つ情報通信専門見本市。
2003年3月12-19日、ドイツ・ハノーバーにおいて開催。


ショー概要
会場
出展企業数
入場者
ショウのテーマ
ドイツ・ハノーバー国際見本市会場
約8,000社
のべ 80万人
「Get the spirit of tomorrow」

展示内容
3Dのハードウェアを展示していたのは三洋電機、シャープなど6社。

(1) 三洋電機 液晶パネル (40インチ/8.4インチ)
3Dコンソーシアム設立総会時の展示物のLCD版(額縁入り)と、8.4インチの部品を展示。表示内容は設立総会時と同じアミューズメントもの。

(2) 4D Vision 液晶モニター/PDPモニター
17インチのLCDから大型のPDPまで数機種を展示。 基本的には多視点(4〜8視点)で、視点間の切り替わりがスムーズで調整がうまくできているというイメージ。 大型のものでも、焦点を合わせやすく、好印象。実ビジネスは医療、CADなどということで、展示コンテンツも分子構造のCGなどもあったが、オリジナル(?)のCGアニメや3D変換したアニメ映画などコンシューマーを意識したコンテンツもみられた。

(3) ACT Kern 液晶モニター(縦型)
モニターの上部にセンサー(赤外線)を取り付けてユーザーの頭の位置をトラッキングするシステムを展示。 決してよい仕上がりではないが、実用レベルにきている、との説明を受けた。

(4) SeeReal 液晶モニター
ここもトラッキングシステム付きの3D液晶モニターを展示していたが、こちらは額に小さな発信機(?)をはめてその信号を受けながら頭の位置にあわせて画像を動かしていくという方式で、実際に販売を行なっているとのこと。(価格は1万ドル程度。 販売実績は未確認なるも、外科医、CADデザイナーなどに販売しているとのこと)廉価版としては、CCDによるEye Trackingのものもあるが、価格的には高くても精度の高いものが売れているとのことだった。現在、頭の発信機なしでも高い精度のTrackingをするもを開発中。

(5) Samsung 21インチ液晶モニター
16視点のものを2台展示。コンテンツはオリジナルものだが、強烈なインパクトを感じるものではなかった。16視点にしているためか解像度がかなり犠牲になっているようで、臨場感という点で物足りなさを感じる。 製品には3DTV Monitorとプリントされており、最終的な狙いどころはテレビということのよう。

(6) シャープ 液晶モニター/携帯電話(SH251iS)/コンテンツ提案
3Dはブース内の訴求ポイントの一つとして、3箇所に分けて展示。 コンテンツ提案のエリアでは図鑑、ゲーム、アミューズメント(パチンコ)の例を展示。
説明員からフィードバックなどの様子を聞いたところ、液晶モニターについては3Dの焦点を合わせるのが難しい(コツをつかみにくい)、頭が痛くなる(実際にそんなに短時間で痛くなったとは思えないが)など、少しネガティブな声があった模様。 携帯については、面白いけれども、実際に使うかというと疑問という反応が多い。 コンテンツがあまりよくなかったのではないかと思う。 日本で何が受けているのか、といったFun to Useのポイントの訴求が不足という感想。

所 感
今回の展示を見、話しを聞く中で感じたこと。
展示そのものはどことも派手ではないが、欧州では3D表示という世界は実ビジネスとして既に始まっている、という印象。
非常に業界が限定されており、大きな市場ではないが、「キワモノ」ではなく「ニッチ」という表現がより当てはまる感じ。 ただ、他の地域と同じでそれぞれが好き勝手なことをしており、かなり全体として効率の悪い市場になっている。 各社ともコンソーシアム的な動きには非常に期待している。
とはいえ、既にビジネスをしているところは、用途提案としてはゲーム・アミューズメントという例を挙げているが、実際にはそういう利幅の小さいコンシューマー市場には関心を持っていない(量産効果でパネルが安くなることは歓迎なので、コンソーシアムで市場を育てることには前向き、というトーン)。

3Dの市場が活性化し「ニッチ」を脱して市民権を得るためにはコンシューマーにも買えるハードウェアプラットフォームとキラーアプリ・サービスが必要で、ハードウェアメーカーが牽引していかないとなかなか育たないという思いを強くした。
また、コンソーシアム活動の海外展開をより急ぐ必要があることを改めて認識した。

報告・山本 靖(シャープ)
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