報告者:シャープ(株)山本
中国の立体映像関連業界団体として、2008年10月に発足したChina 3D Industry Association(C3D)が初めて主催する国際学会C3D
Worldに出席し、3Dコンソーシアムの活動紹介と3D業界の現状考察についてのプレゼンテーションを行なった。
開催概要
・日時: 2009年4月9日(木)〜10日(金)
・会場: 中華人民共和国 広東省 深セン(土へんに川) 「深センコンベンションセンター」
・参加者数: 約120名
China 3D Industry Association (C3D)は、2008年10月に発足した中国で初の立体映像に特化した業界団体で、現在約20社が所属している。
TCLやKONKAといったローカルなディスプレイ(TV)メーカーから、AUOなどの大手パネルメーカー、Philipsなどの海外企業も名を連ねている。
今回のイベントは、中国で最大級の展示会である中国電子展(第73回)に併設するイベントとして企画されたもので、電子展における3D特設パビリオンの展開と、3Dコンファレンスから構成された。
3Dコンソーシアムのプレゼンテーションは2009年2月にソウルで開催された3D Fusion Industry
Consortium (3DFIC)の設立総会において同席したC3Dのタン・ビン事務局長の招聘に応じて行なったものである。
3Dパビリオンの展示では3D表示機能付き(2D切り替え可能なレンチキュラレンズ)のフォトフレームなど数社が展示されていたほか、3Dコンテンツ(2眼カメラによる高画質静止画)のデモ(プロジェクターによる投影)も行われていた。
まだレベルは必ずしも高くないものの、非常に熱心に開発作業が進んでいる様子がうかがわれた。
コンファレンスにおいては、3Dコンソーシアムの理念と活動状況をプレゼンテーションするとともに、世界の3D業界における最近のトピックなどを紹介した。
120名程度の出席者があり、それぞれ熱心に傾聴していた姿は印象的であった。 日本の3Dコンソーシアム以外に韓国の3DFIC、台湾のITRIがそれぞれ自国(地域)の活動についてプレゼンテーションを行ない、セッションの最後に中国(および台湾)・日本・韓国が協力して、アジアから3D産業を盛り上げて行くという基本的な方針について再確認し、アキハバラ3D宣言やソウル3D宣言の内容をなぞる形で「深セン3D宣言」を採択して閉幕した。